こんにちは、鈴木笑里です。
私は「漢字教育士」「漢字教育サポーター」という資格を持っているのですが、
今回はその資格の勉強過程で学んだ知識を一つご紹介します。
「笑」という漢字について。
メールやSNSの文章で文末に付けることが多いのでお馴染みの漢字ですね。
私自身の名前にも使われているので元々愛着はありましたが、成り立ちを知ってより好きな漢字の一つになったので
是非シェアさせていただきたいと思います。
漢字の成り立ち4パターン「笑」はどれ?
(結論のみ見たい人はこちらは飛ばしてしまって構いません。)
まず、漢字の成り立ちとして、いくつかの種類があることは皆さんご存知かと思います。
全部で4種類あります。
一つ目に、漢字全体で一番多いのは、意味を表す部分と音を表す部分を組み合わせて作られたもの。
「松」「講」「坂」などです。
これを形声文字と言います。
二つ目は、わかりやすく記号で示したもの。
「上」「下」「一」「ニ」「三」など。
これは指事文字と呼ばれます。
三つ目は、会意文字と言われる、意味のある漢字を二つ以上組み合わせたものです。
「森」「畑」などがそうですね。
4つ目に、ものの形をそのまま表した象形文字と言われる成り立ちの漢字です。
「鳥」「馬」「手」などですね。
小学生の時にイラストと共に教えられた漢字はこれに当たります。
で、今回ご紹介する「笑」という漢字はどれに該当するかと言うと、最後の象形文字なんですね。
ある物の形をそのまま表現しているということです。
形成文字だと思っていたので私は少し意外に感じましたが、皆さんはいかがでしょうか?
「笑」が持つ本来の意味
ここからが本題です。
前述の通り、「笑」という漢字は象形文字、つまり、何かの形をそのまま表している一文字です。
では、一体何の形かと言うと、
「人が踊っている姿」なのです。
より詳しく言うと、「巫女が両手を上げて首をかたむけて舞っている形」なのだそうです。
手書きで申し訳ないのですが、
これを見ると何となくわかるような気がしますよね。
元々は神を楽しませる為に笑いながら踊っている所作(しぐさ)を表す文字だったようです。
確かに、上のたけかんむり「竹」の部分が手を上げているようにも笑っているようにも見えますし、
下の「夭」という部分は人の形に思えてきますね。
成り立ちから見てみると、意外な事実が見えてきます。
今では「笑う」という意味で使われていますが、
元々は「喜ばせる」、
しかも人間どころか神の為にという高貴な意味を持っていたのです。
成り立ちから考えると、笑うというよりも「笑わせる」という意味の方が強くあったような気がしますね。
一人称のニュアンスよりも、誰かの為にというニュアンスが強そうです。
自分の名前に素敵な漢字を使ってくれた両親に感謝しつつ、
私も「自分が笑う」という自分本位な価値観よりも、
「人を笑顔にする」、まさにこの漢字が表しているような生き方をしていきたいと改めて思いました。
漢字を学ぶと人生が変わるかも!
このように成り立ちから学んでみると、漢字一文字を取ってもより広い解釈が可能になり、
想像力が膨らみ学ぶ楽しみが増えていきます。
皆さんも是非自分の名前の漢字の成り立ちを学んでみてはいかがでしょうか?
自分の人生を振り返り、両親に感謝をする良い機会にもなるかもしれません。