【現役司会者が解説】誰もが陥りがち…滑舌が悪い理由とは

人とのコミュニケーションにおいて何よりも大切な「言葉のやり取り」。

言葉を交わす上で重要になってくることの一つに、「滑舌の良さ」があります。

騒がしい場所ではないにも関わらず何度も聞き返されたり、「滑舌が悪い」と言われてショックを受けたりした経験をお持ちの方は少なくないと思います。

あまりにも頻繁にそのようなことが起こると人と話す自信をなくしてしまいますよね。かつての私もそうでした。

今回は、「滑舌の悪さ」にお困りの方向けの記事です。

私も喋る言葉に自信がなかった過去を持ちますが、人前で話す仕事をすることで会話の苦手意識を克服しました。

そんな現役司会者である私が、「滑舌の悪さとは?」「滑舌が悪い理由」「滑舌を良くすることのメリット」「滑舌を良くする方法」を前編・後編に分けて解説していきたいと思います。

「滑舌が悪い」とは?

一般的に「滑舌が良い」「滑舌が悪い」などという使い方をし、殆どの方が経験的・感覚的にその意味を理解していることかと思います。

しかし「滑舌」という言葉は、実は国語辞典に掲載されている正式な単語ではありません。

放送業界では詳細な定義付けがされているらしいですが、

私たち一般人の間では具体的な意味もわからなく何となくの感覚で使っている方が殆どだと思います。

「なんかこの人の喋り方、聞き取りづらいな。」

と感じた時、漠然と「滑舌が悪い」という感想を抱くのではないでしょうか。

世間の認識はその程度のものです。

次の項目で、滑舌の悪さ(言葉の聞き取りづらさ)の具体的な原因を挙げていきます。

滑舌が悪い理由

「声が聞き取りづらい」と言われる場合、正確には腹筋の問題とか共鳴の問題とか色々あるんですが、今回は「滑舌」、つまり文字通り「舌の滑り」に焦点を当てて解説していきたいと思います。

口が開いていない

滑舌の悪さの一番大きな原因は、当然のことながら口を上手く使えていないことです。

言葉が聞き取りづらい人は、特に、口をあまり開かないで喋る傾向にあります。

口が開かないことの原因は、次の二つです。

口周りの筋肉が弱い

まず、ゆっくりで良いので、口の動きを気にしながら次の文章を読んでみてください。

「スモモも桃も桃のうち」

「も」と発音するたびに上下の唇がくっ付いたのを実感できたかと思います。

早口言葉としてお馴染みのこの一文ですが、 唇の筋肉が弱い方は言えません。

「も」の連続になりますので、上下の唇をくっ付けて離す、これを短時間のうちに繰り返し可能な筋肉量が必要になるのです。

唇を動かす筋肉が弱いと、マ行以外にも、パ行、バ行、ワ行も苦手な傾向にあります。

次に、これも言ってみてください。

「あのアイヌの女の縫う布の名は何?あの布は名のない布なの?」

早く言おうとするとかなり難しいと思います。

今度は舌の動きを実感できたでしょうか?

「な」「ぬ」「の」と発音するたびに、下が上の歯の付け根部分にくっ付くのがわかると思います。

もうお分かりの通り、この早口言葉を言えない方は、舌を動かす筋肉が弱いということになります。

これはナ行の早口言葉ですが、舌の筋肉が弱い方は、タ行、ダ行、ラ行も苦手だと思います。

特にラ行「らりるれろ」は舌の筋肉を多く使うので、これが原因で言葉が伝わりづらい方はかなり多いです。

顔の筋肉が弱い

唇や舌の動きで子音を作るのに対して、母音は口の開きで作ります。

そして口を開く為には沢山の筋肉を使います。

「あ」と大きく開ける時は顎近くの筋肉を使いますし、「い」や「え」と発音する時には口を横に引っ張る為の頬辺りの筋肉も必要です。

口を動かす為の顔中の筋肉が衰えてしまっていると、上手く開かず、こもりがちになり聞き取りにくい声になってしまいます。

口から出てくる言葉ですが口以外の力も重要なのです。

次に喋りたい言葉を予測できていない

言葉を聞き取ってもらえない方の一番大きな原因は口を上手く使えないことだと書きましたが、それ以外にもあります。

パソコンやスマホで早く文字を入力したいと思ったら先を予測している必要がありますが、喋る時も全く同じです。

頭の回転が悪い

会話のテンポについていけず、次の言葉を考えるのに時間がかかってしまい、言葉がどもってしまったり、噛んでしまったりする人がいます。

かつての私がそうだったのですが、これは経験と慣れである程度カバーできます。

人との会話のテンポに慣れてくると、頭の回転も早くなってきます。

精神的な理由(緊張など)

普段は難なく話せるのに、目上の人や初対面の人、好意を寄せる人などと話す時は上手く聞き取ってもらえないという場合はこのタイプです。

無意識のうちに声が小さくなってしまったり顔周りの筋肉が強張ってしまったりして滑舌が悪く感じられてしまうのでしょう。

では次の記事で、具体的な滑舌の改善方法をご紹介していきたいと思います。

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