「翡翠(ひすい)」という石はご存知でしょうか?
2016年に日本の国石となったことで一躍人気者になった、緑色が美しい宝石です。
今回はそんな「翡翠」を実際に拾いに行ってみることにしたので、翡翠についての詳細、飲食店・宿泊施設や周辺の環境、実際の翡翠採集などについてまとめてみようと思います。
翡翠が拾えるのは新潟と富山の県境!
日本で翡翠が拾えるのは、新潟県と富山県にまたがる海岸です。
より具体的には新潟県糸魚川市の大和川海水浴場〜富山県の宮崎・境海岸にかけて、30kmに及ぶ海岸線で拾うことができます。
駅で言うと「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」梶屋敷駅〜越中宮崎駅の一帯の海沿いになります。
なぜ翡翠が採れる?
新潟県糸魚川市には「小滝川ヒスイ峡」と呼ばれる川原一帯があります。
そこは日本随一の翡翠の産地です。
小滝川ヒスイ峡で産出した翡翠が小滝川を流れ、青海川や姫川に合流し、さらに長い時間をかけて海岸に流れ着き、それを拾うことができるということです。
ですから、青海川や姫川が流れ込んでいる海岸付近に翡翠が落ちているということになります。
翡翠が拾える海岸は?
以上のことから、翡翠が落ちている海岸は、青海川や姫川が流れこむ周辺の海。
具体的な海岸名は以下の通りです。
●大和川海水浴場
●糸魚川海水浴場
●青海海岸(ラベンダービーチ)
●親不知海水浴場
●市振海水浴場
●宮崎・境海岸
翡翠が拾えるこれらの海岸は「ヒスイ海岸」の名称で親しまれています。
※糸魚川海水浴場や宮崎・境海岸を「ヒスイ海岸」と呼ぶこともあります。
注意:翡翠採集が禁止のエリアも!
一方で、天然記念物指定区域となっており、翡翠採集が禁止されているエリアもあります。
具体的には翡翠の産出地である「小滝川ヒスイ峡」での採集は禁止となっています。
翡翠だけでなく他の石や木などを持ち帰ることも禁じられているので注意が必要です。
同じく、「青海川ヒスイ峡」での採集も禁止です。
また、翡翠が流れるという小滝川や青海川、姫川での採集はグレーゾーンですね。。
片手で持ち帰れるくらいなら大丈夫という意見もありますが、念のため、禁止されておらず安心して拾える海岸での採集がオススメです。
翡翠の見分け方は?
翡翠の見分け方には次のようなものがあります。
●全体的に白っぽい
●角ばっていて「面」が目立つ
●乾くとツルツルしていて結晶が見える
●カッターでも傷つかない
●光を当てると透ける
●普通の石より重くずっしりしている
初めは白っぽく角がある石を採集し、いくらか集まってきたらライトやカッターを使って確認するのが良いみたいです。
「カッターで傷付かない」というのは非常にわかりやすい指標の一つですね。
カッターの刃はモース硬度5.5に対し、翡翠は6.5〜7なので、翡翠の方がかなり硬くて丈夫なのです。
モース硬度とは・・鉱物(物質)の硬さを示す基準となる数値。大きい方が硬い。
一番硬い物質はダイヤモンド(モース硬度10)。
翡翠にそっくりでよく間違えやすいロディン岩やキツネ石などと呼ばれる石があります。
翡翠に似たこれらの石は、カッターで簡単に傷が付き(カッターの刃よりもモース硬度が低い)、何度もガリガリやっていると白い粉が出てくるそうです。
このような確実な判断の基準を一つ持っていると強いですね^^
ヒスイ海岸までのアクセスは?
翡翠が拾えるいわゆる「ヒスイ海岸」までの公共交通機関でのアクセスをご紹介します。
●東京駅→糸魚川駅 新幹線はくたか にて約2時間
●糸魚川駅→えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン各駅 約2〜30分
●糸魚川駅→青海駅、糸魚川駅→えちご押上ひすい海岸駅まではバス有り
●糸魚川駅よりレンタサイクルで移動(詳細はこちら)
まずは新幹線で糸魚川駅を目指します。東京駅から行く場合は約2時間です。
糸魚川駅周辺には様々な飲食店やフォッサマグナミュージアムがあるので、糸魚川駅を拠点にすると便利です。
糸魚川駅の近くの海岸(糸魚川市海水浴場・徒歩25分)で翡翠採集をすることもできますが、そこから電車に乗って移動するのも良いと思います。
「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」に乗れば一通りのヒスイ海岸を移動することができます。
梶屋敷駅・えちご押上ひすい海岸駅・糸魚川駅・青海駅・親不知駅・市振駅・越中宮崎駅
↑これらの駅を目標に、そこから徒歩で行ける海岸を攻めると良いかと思います!
※糸魚川駅から青海駅・えちご押上ひすい海岸駅まではバスも出ています。片道100円なので時間が合えば便利です。
車で行く場合は、糸魚川 IC を目指してください。
実際に翡翠を拾いに行ってみた
糸魚川駅を拠点に翡翠採集に挑戦してみました。
まずは、糸魚川駅からバスでも行きやすい「糸魚川海水浴場(ヒスイ海岸)」へ行ってみました。
小石が多めの綺麗な海岸です!
平日でしたが、水遊びをしている家族や、翡翠を探している地元の方が多くいました。
翡翠っぽい石を沢山拾って次の海へ。
次は、糸魚川駅から電車に乗って親不知へ。
親不知駅は無人駅で、小さいですが昔ながらの味があって落ち着きます。
ここから15分ほど歩くと親不知海水浴場に着きます。
親不知海水浴場はゴロゴロと石が落ちているので期待大でした!
同じく平日ですが、釣り人やドライブで来た方などが沢山いました。
また、親不知ピアパーク内の「翡翠ふるさと館」というところには、世界最大級の翡翠原石が展示されており見応えがあります。
続いて「青海海岸」「ラベンダービーチ」です。
青海駅の目の前が「青海海岸」。そこから糸魚川駅方面に歩いていくと「ラベンダービーチ」に繋がっています。
天候にもよるのでしょうが、青海海岸の水質はビックリするほど綺麗でした!
そこから少し歩いてラベンダービーチへ。
ラベンダービーチには、有名な奴奈川姫のオブジェが。
トイレや無料のシャワーもあるので環境はバッチリです。
この辺りはたまに釣り人や地元の翡翠採集の人がいるくらいで、穴場的なスポットなのかもしれません。
ひっそりと翡翠を探したい方にはオススメです。
最後に、「宮崎・境海岸」です。
こちらは唯一の富山県の海岸になります。
越中宮崎駅で電車を降りると、すぐ目の前が海!
翡翠が拾える中では一番アクセスの良い海岸かもしれません。
ちなみに、「宮崎・境海岸」も「ヒスイ海岸」と呼ばれています。
糸魚川海水浴場もヒスイ海岸なので、少し紛らわしいですね。。
駅前にある「ヒスイテラス」という施設では、休憩ができたり、シャワーを利用できたり、石の鑑定をしてくれるスタッフのいたりと、とても良い環境が揃っています。
小さい石から大きめの石まで、様々なサイズが転がっており、ワクワクしながら翡翠を探すことができます。
水質も良いので言う事なしですね。
1日で全ての海岸を回るのは時間的にも体力的にもかなり厳しいです。。
実際に私は3日かけて4カ所の海岸を回りました。
肝心の翡翠ですが・・・
翡翠っぽい石はいくつか拾えました!
ただ、素人の目には見分けがつかないので、次回糸魚川に行くときにフォッサマグナミュージアムで鑑定したもらおうと思います^^
自作のヒスイ棒を持っていくのがオススメ!
「ヒスイ棒」とは、ズバリ、翡翠を採るための棒です!
地元の翡翠ハンターさん達は絶対と言っていいほど持っているそうです。
私も作ってみました。
材料は、お玉(穴空きタイプ)、伸縮棒、結束バンド、ビニールテープの4つです。
お玉の持ち手部分をもぎ取ります。
柄の部分を取り外したら、結束バンドを使って伸縮ポールに取り付けます。
結束バンドを短く切ります。
最後に、ビニールテープを使って固定します。
完成!!!
伸縮可能なポールを使えば、持ち運びやすく、膝を曲げずに翡翠採集ができで楽チンです♪
皆さんも是非作ってみてください^^
糸魚川周辺のオススメスポット
糸魚川周辺のヒスイ海岸で翡翠採集をする際に欠かせない施設をまとめました。
フォッサマグナミュージアム
地元で採れる翡翠や日本列島の成り立ち、宝石や化石などについて一通り学べる「石」の博物館です。
糸魚川周辺で採掘された翡翠の原石が大量に展示されているので、翡翠拾いに行く前には勉強のために必ず立ち寄りたい施設です。
学芸員の方がいる日(主に土曜日・日曜日)には石の鑑定もしてもらえるので、海で拾った翡翠と思われる石を持って行ってみるのも楽しいと思います。
※コロナウイルスの影響で鑑定には整理券が必要なのだそうです。詳細はお電話で確認されることをお勧めします。
フォッサマグナミュージアムに行ってみた
実際にフォッサマグナミュージアムまで行ってみました。
今回は糸魚川駅南口から出ているバスを利用しました。
バスに乗ること、10分。
広大な土地のフォッサマグナミュージアムに到着です。
↓駐車場の横には、「化石の谷」というスペースがありました。
手ぶらで化石の発掘体験ができる場所のようです!
今回は時間がなかったので断念しましたが、次回は時間に余裕を持って来て体験してみようと思いました。
↓外観。全面が石っぽく、まさに石の博物館にぴったりの構えですね。スタイリッシュなところにセンスを感じます。
↓入口から入ると、チケット売り場があります。
↓また、受付の右側の奥の方には「セルフ鑑定コーナー」というものも。
自分が拾ったお気に入りの石と比べて種類を判別できる優しいコーナーですね。
本来はフォッサマグナミュージアムには学芸員さんがいて石の鑑定をしてくれるらしいのですが、感染症対策のため、最近は土日限定のイベントとなっているようです。
学芸員さん不在の時に石の種類を知りたいと言う方は、是非、こちらの「セルフ鑑定コーナー」を利用してみてください。
フォッサマグナミュージアム 詳細情報
所在地
〒941-0056 新潟県糸魚川市大字 一ノ宮1313(美山公園内)
アクセス
北陸新幹線・JR大糸線・日本海ひすいライン
「糸魚川駅」下車
・路線バス「美山公園・博物館線」で約10分
・タクシーで約10分
・自転車で約30分(糸魚川市観光案内所でレンタル可能)
TEL
025-553-1880
開館時間
9時00分~16時30分(17時00分の閉館までは見学可能)
休館日
12月~翌年2月の月曜日・祝日の翌日(3月から11月までは毎日開館)、12月28日~1月4日
石の鑑定
土曜日・日曜日(詳細はお電話での確認をオススメします)
公式サイト
道の駅 親不知ピアパーク
「ヒスイ海岸」の一つである親不知海水浴場の前にある道の駅です。
「レストピア」や「漁火」ではお食事を楽しむことができるので翡翠拾いに疲れた時には休憩に利用できます。
その他、新鮮なお魚やお土産が買える「おさかなセンター」、102トンもある世界一のヒスイ原石がある「翡翠ふるさと館」もあり、翡翠採集の際には是非立ち寄りたい施設の一つです。
道の駅 親不知ピアパークに行ってみた
実際に行ってみる予定なので、後ほど追記します。
道の駅 親不知ピアパーク 詳細情報
所在地
〒949-0308 新潟県糸魚川市 大字外波903番地1
アクセス
親不知IC から車で2分
えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 親不知駅 から徒歩約15分
TEL
025-561-7288
営業時間
レストピア:9時30分~17時
おさかなセンター:9時30分~17時
漁火:11時~16時(16時以降は要予約)
翡翠ふるさと館:9時~17時
※冬期は異なります。
休業日
レストピア:年末年始
おさかなセンター:年末年始 ※冬期は異なります。
漁火:水曜日・年末年始
翡翠ふるさと館:火曜日・年末年始
公式サイト
親不知交流センター
親不知海水浴場の近くにある日帰り入浴施設です。
翡翠採集で疲れた体を癒してくれます。
宿泊やお食事も楽しめる複合施設となっています。
親不知交流センター 詳細情報
所在地
〒949-0308 新潟県糸魚川市大字外波106番地
アクセス
親不知IC から約2km
えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 親不知駅 から徒歩約10分
TEL
025-562-3002
公式サイト
ヒスイ王国館
糸魚川駅の近くにある複合施設です。
飲食店・観光案内所・お土産屋さん・翡翠の展示などがあります。
タイミングが合えば翡翠を加工する過程も見学できるそうです。
ヒスイ王国館 詳細情報
所在地
〒941-0061 新潟県糸魚川市大町1-7-11
アクセス
糸魚川駅の目の前
TEL
025-553-1210
公式サイト
糸魚川駅周辺のオススメの飲食店
糸魚川駅周辺で新鮮な海鮮丼や地元の食材を使った料理が味わえるところをまとめました。
廻るすし倶楽部
膳処 くろひめ
寿司居酒屋 岬
あじさい
漁師の店 煌凛丸
漁師の寿司 漁場 傳兵
漁師の店 楽々寿し
大瀬
糸魚川周辺のオススメの宿泊施設
遠方から翡翠採集に行く場合のオススメの宿泊施設です。
駅からあまり遠くなく、海岸に行きやすいところをピックアップしています。
オススメの観光・ビジネスホテル一覧
また、便利な立地の民宿やペンションもまとめてみました。
今回ピックアップした中には、翡翠の探し方を教えてくれたり鑑定までしてくれたりするお宿さんもあるようなので、私もいつか泊まってみたいと思っています^^
糸魚川駅から徒歩1分!ホテルジオパークに宿泊してみた
8月下旬宿泊予定です。随時更新していきます。
まとめ:翡翠採集は誰でも気軽に楽しめる!
最後に、翡翠採集は自分の身一つで気軽に楽しめる趣味です。
何も知らない状態で海に出かけても宝探し気分で面白いですし、フォッサマグナミュージアムなどで勉強して知識を深めてからだと翡翠を拾える確率が上がってより楽しめること間違いなしです!
古代より宝石として親しまれてきた翡翠。2016年に日本の国石となってからはヒスイ海岸に拾いに来る人も増えているようです。
是非、気軽に始めてみてはいかがでしょうか?^^