先月、用事があって仙台を訪れました。
その際に「ホヤ乗せ温麺(うーめん)」というものを食しました。
こちらの記事にも書きましたが、文字通り、仙台名物の温麺に生のホヤを乗せたものです。
これ、お刺身の状態になっていると想像できないのですが殻が付いた姿はなかなか衝撃的なんですよね(笑)
私がよそ者だということを即座に見抜いた店員さんは、丁寧にホヤについて説明をしてくれました。
優しい店員さんによると
「ホヤは味に癖があるがそれが県民にはウケている」
「地元のスーパーで普通に売っているのでよく食卓に並ぶ」
「宮城の人間は自分でホヤをさばくことができる」
…だそうです。
見るのも味わうのも初めてだったので、なんというか、軽くカルチャーショックを受けた記憶があります。
えー、こんなグロテスクなものがスーパーに置いてあるんだ!
自分で調理するなんて宮城県民は相当 物好きなんだろうなぁ。
…と思ったのもつかの間、
気が付いたら近くのスーパーに寄ってホヤを手にしている自分…(笑)
宮城県民をリスペクトして私もホヤをさばいてみよう!
いつもの無謀なチャレンジの幕開けです(笑)
ホヤのさばき方
![f:id:emr_belltree:20200827022652j:image f:id:emr_belltree:20200827022652j:image](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/e/emr_belltree/20200827/20200827022652.jpg)
帰宅してすぐ、YouTubeで「ホヤ さばき方」と検索して動画を見てみましたが…
慣れた手付きで中身を取り出す様子を見てもチンプンカンプン。
動画で理解することを放棄し、ホヤのさばき方を解説している記事を開きすぐに包丁を手に取りました。
以下、ホヤをさばいた様子を写真付きでご紹介します。
ホヤのさばき方 出っ張りの切り落とし
プラス+とマイナス−の2つの出っ張りがあるのを確認します。
そして+の方を要り落とします。意外と硬い。
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ホヤのさばき方 ホヤ水を出す
切り落とした出っ張りの部分に穴があくのでそこから水(ホヤ水)を出します。
ホヤ水は食べる前にホヤの身を浸すと新鮮な味わいになるらしいので取っておきます。
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ホヤのさばき方 切り込みを入れる
ホヤ水を出した穴の部分に包丁を引っ掛けて
切り込みを入れていきます。
殻はめちゃくちゃカタいので滑らないように注意。
![f:id:emr_belltree:20200827023329j:image f:id:emr_belltree:20200827023329j:image](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/e/emr_belltree/20200827/20200827023329.jpg)
ホヤのさばき方 中身の取り出し
殻を開いたらそこから中身を引っ張り出します。
![f:id:emr_belltree:20200827023633j:image f:id:emr_belltree:20200827023633j:image](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/e/emr_belltree/20200827/20200827023633.jpg)
ホヤのさばき方 内臓の除去
取り出した中身の黒い部分を取り除きます。
黒いのは肝とか糞とか言われていて苦味が強いみたいですが、食べる人もいるそうです。
心配なので一応取り除いておきました。
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ホヤのさばき方 ホヤ水に浸す
取っておいたホヤ水に浸して、食べやすい大きさに切って完成!
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手順的には以上です。
苦戦する部分
かなりサクッと記ご紹介しましたが、実際は物凄く苦戦して時間がかかりました。
開封の儀
![f:id:emr_belltree:20200827024437j:image f:id:emr_belltree:20200827024437j:image](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/e/emr_belltree/20200827/20200827024437.jpg)
殻があまりにもカタくて包丁の刃が刺さらないんですよ。
手を滑らして何度もホヤが吹っ飛びました。ご注意ください。
取り出しの儀
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殻のみならず身も頑固で、なかなか出てきてくれませんでした。
少しだけ助産師さんの気持ちがわかったような気がします。
コツは、躊躇せずにとにかく思いっきり引っ張り出すこと以外ありません。
ホヤのキモ可愛さ
随分と冷静な様子でさばいたように感じるかもしれませんが、
実際は何度も悲鳴を上げながらのホヤさばきだったので
非常に騒々しい現場でした!
なぜうるさかったかと言うと、とにかくホヤが気持ち悪かったから(笑)
あっいい意味ですよ。「キモ可愛い」みたいな。褒め言葉です。
殻がプニプニしてるところがキモカワ
穴からぴゅーっとホヤ水を排出する姿もキモカワ
なかなか出てきてくれない中身もキモカワ
そもそも「ホヤ貝」「海のパイナップル」とか言われているクセに、分類的には貝でも植物でもなくて動物というところも意味がわからなくて可愛いです。
ここまで書いていたらホヤが愛おしくなってきました。
ホヤの味
個人的にはウニに近いなぁという感想です。
海の香りが強く少し苦味?渋み?に近いような癖がある。
最初に海の塩味がして次に甘みを感じたと思ったら
次第に苦味や渋みのような癖の部分が現れてきて
色んな種類の味覚を感じることができるという
とても複雑な味わいです。
好きな人はクセになると思いますが、嫌いな人はとことん嫌いな味わいだと思います。
ここまで好みが極端に分かれるものも珍しいと思います。
自分でさばくことの価値
ホヤを自分でさばいてみて思ったのは、
ジュース一本分の値段でこんなに楽しい体験ができるなんて最高!
といったところです。
150円の2割引だから120円ですよ。たった缶ジュース1本分。
ホヤをさばいた数十分間は
缶ジュースで喉を潤すよりも遥かに満たされた気がします。
数え切れない程の感情を覚えました。
プニプニしてる、キモい!
水が出てきた、ウケる!
殻ってこんなに硬いんだ、意外!
失敗して指切りそう、怖い!
中身ぷよぷよしてる、可愛い!
潮の香りがする、美味い!
たった数十分で、ジェットコースターのように激しく感情が揺れ動きました。
自家製タピオカドリンク作りに挑戦してみた際も感じたことですが
自分で経験してみる、新しいことにチャレンジしてみるというのは
ワクワクして自己肯定感も高めてくれますね。
関東のスーパーにもホヤが売ってたらいいのに。
あ、ネット通販で取り寄せればいいか。
などと考えている現在の私です(笑)