【現役司会者が解説】日本人こそ日本語教育が必要な理由|美しい日本語を話すというマナー

私は現在、オンラインで日本語を教える仕事をしています。

元々メインでやっていたのはイベント司会やナレーションなどの「言葉を扱う仕事」なのですが、そこから派生し、綺麗な日本語をより多くの人に知ってもらいたいと考えるようになったので始めました。

私自身も正しく美しい日本語を学ぶ為に、テレビ局が主催するアナウンススクールやブライダル司会者養成学校に通ったり、ボイストレーニングのスクールで教わったり、声のお仕事で成功していらっしゃる何名もの方に個人的な指導を受けたりと、さまざまな教育を受けてきました。

もとは人とコミュニケーションを図ることがかなり苦手だったのですが、綺麗な言葉を話せるようになると自信がつき、人と会うのも話すのも楽しく感じられるようになっていきました。別の言い方をすると、総合的な人間力がアップしたと感じるようになりました。

教育を受ければ誰でもより魅力的になることができるのに、それを知らないのはあまりにも勿体ない。「言葉」は毎日扱うものだからこそ、根本的な部分から美しくしてあげたいと思い、人に教える活動を始めていこうと決めました。

現在わたしのレッスンを受けているのは外国人が殆どです。日本語ネイティブでない方は、自分の発音が完璧ではないことに気が付いているから、私のレッスンを受けたいと思われるのです。しかし、日本人こそ、自分の日本語を見直してみても良いのではないかと感じています。

生まれも育ちも東京で両親も東京という方は、自分の扱う日本語が「標準語」と信じて疑いません。ですが実際は、NHKアクセント辞典の通りに発音できる方はほぼいらっしゃいません。都内であっても「山の手言葉」などと呼ばれる東京方言が存在したり、一人一人の個性による訛りなどが存在したりするのです。するとどういうことが起こるかというと、他地域の出身の方や別の言葉の個性をお持ちの方と話す際に、意図することが上手く伝わらないということが起こります。これはコミュニケーションを阻害する要因となってしまいますし、言葉が伝わらないことで自己評価が下がってしまうことも考えられます。

そのようなことをなくす為に、また、綺麗な言葉を話して好印象を感じ取ってもらう為にも、日本人こそ言葉の勉強が必要だと私は考えています。つまり、美しい日本語を使って会話をすることは大人としてのマナーだと考えられます。

正しく美しい日本語を学ぶと言っても一朝一夕で身につくものではありませんし、そこまで簡単なことでもありません。しかし、より良くしたいと思う方がいらっしゃるのなら、「自分の日本語はもしかしたらまずいかもしれない」と疑ってみることが、綺麗な日本語を知る第一歩になると思います。

生まれてから長年付き合っている自分の言葉の訛りに誰しも気が付くことができません。自分ではわからないからこそ、時には言葉を扱うプロの方に頼ってみても良いのではないかと思います。身に付けた綺麗な言葉は一生モノの財産です。是非、この機会に「言葉」について考えてみてはいかがでしょうか。

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