占いが嫌いな人っているでしょうか?
少なくとも私は今までそのような人には出会ったことがありません。
信じる信じないは別として、
話題性があって楽しいのは間違いないですよね。
占いは間違いなく当たります。
なぜなら、占い師は「当たっていると思わせる方法」を心得ているからです。
今回は「占い師の手法・コールドリーディング」というテーマで大学の卒論を書いた私が
商業施設の中にある占いコーナーの占い師を困らせてみた日のこと、その占い師が使っていた手法について書いてみようと思います。
占いってなんで当たってるの?と不思議に思っていた方は是非参考にしてみてください。
占い師のタイプ2種類
まず、大前提として
占い師には二通りのタイプがあります。
一つ目のタイプは、「超能力」を身に付けている「サイキック(霊能者)」と呼ばれる人。
もう一つのタイプは、霊能者ではないけれど
コールドリーディングという手法によって
「当たり」に誘導できる人。
圧倒的に後者のタイプの占い師が多く
「自称サイキック(霊能者)」の人でも、実はコールドリーディングという手法を用いている方が殆どです。
(コールドリーディングの要素の一例として、わかりやすいものを挙げると、
「あなたには強い野望がありますね」「寂しがり屋な一面もありますね」など、誰にでも当てはまる性格を描写する
「バーナム効果」と言われるものなどがあります。)
今回 私が見てもらったのは手相だったのですがその占い師の方もコールドリーディングを扱うタイプの方でした。
以下、占い師に言われたことと私なりの解釈をまとめていきます。
占い師とのやり取り(占い師の手法)
占い開始前
- (入り口の看板を見ている私に対して笑顔で)「良かったらどうですか〜?」
→相手は人間、自分も人間なので、
爽やかな笑顔で話しかけられたら警戒心がほぐれてこちらも態度が柔らかくなるに決まっています。
その結果、「信じてみよう」と思える信頼関係が形成されていきます。
- 「今なら500円引きでできますよ。」
→限定感・希少性のアピールをしてハードルを下げる…という狙いが見え見えですが、つい惹かれてしまいますよね。
手相占い中
- 「仕事が好きなほうみたいですね。なるべく仕事をしていた方が自分らしく生きられるわよ。」
→曖昧な言い回しで誰にでも当てはまることを言うという「バーナム効果」を狙っていますね。
「仕事をすることで自分らしく生きられる」というのは私に限らず当然のことですよね(笑)。
- 「慎重で石橋を叩いて渡る性格みたいです。」
→慎重か慎重でないかは1/2の確率で当たりますし
慎重な部分を全く持ってない人というのはいないので、殆どの人が当たっていると感じると思います(バーナム効果)。
- 「慎重なのは良いことだけれど、タイミングを逃してしまうこともありますね。」
→これも誰にでも当てはまることです。
バーナム効果に加えて、「ジェイクイーズ・ステートメント」という
誰もがぶつかる人生の問題について言及する、という手法ですね。
- 「結婚は28歳と32歳の2回タイミングがあります。」
→統計上の事実としてこの年齢で結婚する人が多いので、当たる確率が高くなります。
もし私が18歳くらいだったら、23歳と28歳と32歳の3回と言われていたかもしれません(笑)。
占い師を困らせてみた(外れた時の対処法)
占い師「仕事は?」
私「人と関わることが多いです。」
占い師「コンサルとかですか?」
私「いえ、接客みたいなのが多いです。」
占い師「あら、分析的なことが向いているのに、自分では気付いていないだけかしら。」
→コールドリーディングをブロックする手段として「フィードバックを与えない」というものがあります。
こちらは占いというサービスを受ける側なので、情報提供はしなくても良いのです。
占い師は相談者の反応によって言葉を選ぶ部分が多いので、情報を与えすぎるとまんまと「当たった気」にさせられます。
コンサルというのは確率論に頼ってまぐれ当たりを狙っていますね。否定された時に「自分では気付いていないだけ」と言っているのは、「事実としては正しい」「自分は間違っていない」ということの強調です。
外れていると思わせない為の手法ですね。
占い師「シャイな性格と出ていますが、心当たりあります?」
私「ないですね。」
占い師「プライベートではシャイな部分もあるみたいです。仕事は別ですよ。」
私「いや〜どうですかねぇw」
→シャイというのも1/2の確率で当たりますね。「心当たりはあるか?」とフィードバックを促し相談者自らに話させることで、確実に当たったと思わせる手法。
1/2を外してしまったので懸命に引き延ばして何とか肯定的な返答を引き出そうとしていたようですが、私がフィードバックを与えない態度を取ったことで占い師はかなり困っていました。
相談者からの情報提供はかなり重要なようです。
私「28と32という結婚のタイミングを逃してしまったら幸せな生活を送れないんですか?」
占い師「そうですね。結婚はタイミングです。チャンスを逃さないように。」
私「そうなんですか。どんなに良い人がいてもそのタイミングまで待つべきだし、それ以降に良い人がいても結婚するべきじゃないんですね。」
占い師「そんなことはありませんよ。幸せは自分次第です。」
私「自分次第ですか。じゃあこの線ってあんまり意味ないですね。」
占い師「いや、手相は広い幅を示しているので、大体28歳前後と32歳前後に良いチャンスが訪れるということですよ。目安です。」
→突っ込んでいった結果、言うことがブレていきました。
基準を曖昧にすることで当たりの可能性を高くすることができますし、
そもそも未来のことなので誰にもわかりません。
「今はわからないがそのうちわかる」と責任逃れをする手法でもあります。
占い師「置かれた環境に満足できるタイプですね。」「体力がかなりありますね。」
→残念ながらどちらも外れ。
今の環境に満足していないし、体力もありません。信じたいところではありますが(笑)
否定したら、「手相は変わる」。慣れている占い師特有の外した時の対処法ですね。
生命線などは変わりやすいから確実とは言い切れないそうです(笑)。
そうくるんですね(笑)。
…という問答を重ねた結果、
いくつか気付いたことがあります。
占いを受けて気付いたこと
- 第一印象で気に入った占い師のコールドリーディングを完全にブロックすることは不可能である。
→50代後半〜60台くらいの柔らかい雰囲気の女性の方で、第一印象が非常に良かった記憶があります。
占い師が一番困るのが「相談者が冷淡な態度を取っていて情報提供に協力的でない」ことなので
ある程度厳しい態度で占い師を困らせに行こうと思っていたのですが(笑)。
人間性の良さそうな方だったので、厳しさを貫くことは不可能でした。私も占い師の人の良さにつられて和気藹々と話してしまいましたね(笑)。
- 占い師は誰にでも意味のあるアドバイスを提示してくれることも多いので、外れていたとしても見てもらうこと自体は悪いことだとは思わない。
→「思ったことを一気に話しがちなので小出しにするように」「慎重になりすぎてタイミングを逃さないように」など
誰にとっても為になるアドバイス・生きる上でヒントになる発言は大事にしていけば良いと思います。
- 当たり外れに固執せず、話題性のあるエンターテイメントとして楽しんだ方が遥かに生産性が高い。
- 全て鵜呑みにすることは危険だが、背中を押してもらったり勇気付けてもらったり、モチベーションアップの為に占いを使うのは良いことである。
→あくまでもサービスを提供する仕事なので
あまり悪いことは言わないようにできていると思われます。
マイナス面を真に受けず、プラスの面を上手く利用して活力にしていけば良いのではないでしょうか。
- 相談者を心地良くさせる術を心得ているので、占い師の方は接客業の「プロ中のプロ」なんだと感じた。
以上です。
まとめ
私たちは良くも悪くも、商品・サービスを
提供してくれる人の人間性で判断してしまう部分がありますよね。
占いも同じだと思いました。
占い師の方の第一印象が良くて雑談が弾み仲良くなれる雰囲気を醸し出されると、
「信じてみたい」という気持ちが生まれてきます。
実はコールドリーディングの手法の中でも
こういった「占い開始前」の要素が一番重要なのです。
占いの結果に一喜一憂して振り回されるようであってはいけませんが、
以下のような活用方法は適していると思われます。
- 友人間での話題というコミュニケーションツールにする
- エンターテイメントとして楽しむ
- モチベーションアップの手段にする
- 人生のヒントにする
このように、ある程度割り切った受け取り方をすることで
占いは真の力を発揮するのではないでしょうか。
占いの内容にしがみつくのではなく、
もっと大枠で見た方が遥かに有意義なんじゃないかなと感じました。
とは言っても、面倒なことは特に考えず、気軽な気持ちで占いをやってみるのもアリだなぁと思いました。
友達同士で気軽にやりつつ、楽しくなってきたら「コールドリーディング」とか「バーナム効果」とか思い出していただけたら嬉しいです。
専門用語を勉強することでも占いの見え方が変わってくると思いますので是非。
最後に…
今回私の手相占いを担当してくださった占い師さんには、
ところどころで困らせるような言動をしてしまいすみませんでした!
困りながらも、始終素敵な笑顔で受け入れてくださったのが心に残っています^ ^
近くに行った際には是非またお願いしたいです!