【ポケモンLEGENDS】アルセウスとDPtのBGMを比較してみた!

2022年1月28日に発売した『Pokémon LEGENDS アルセウス』(通称「アルセウス」、「レジェアル」)は、

2006年発売の『ポケットモンスターダイヤモンド・パール』、2008年発売の『ポケットモンスタープラチナ』(以下、二つ合わせて「DPt」)で描かれた「シンオウ地方」の昔の姿である「ヒスイ地方」が舞台になっていることで話題となっています。

『アルセウス』と『DPt』で、地形を見比べたり登場人物の関係を想像したりするのが面白く、たいへん多くのプレイヤーが考察を重ねて楽しんでいます。

それだけでなく、『アルセウス』と『DPt』ではBGMも関連性がありますので、聴き比べてみるのも楽しみ方の一つではないでしょうか。

今回は、『アルセウス』と『DPt』のBGMの比較をしてみましたので、是非気軽な気持ちで読んでいただければと思います。

※ストーリーのネタバレを回避している方にも安心してお読みいただけます。

アルセウス「始まりの浜」とDPt「フタバタウン」

アルセウス「始まりの浜」

まずは、アルセウスの「始まりの浜」という場所のBGMです。

「アルセウス」の序盤で主人公が空から落ちてきた後、3匹のポケモンを捕獲する時のフィールドで流れているBGMですね。

このBGMはDPtの「フタバタウン」と関連がありそうです。

具体的には、始めの「ソ~ド~」という音がフタバタウンのBGMの入り方と全く同じ。

その上、テンポと調性が完全に一致しています。

いくらか似た音が使われていて、フタバタウンの懐かしさを想起させるようなBGMに仕上がっています。

たまに入るキラキラした効果音のようなもの?が冒険の始まりを感じさせるのも、フタバタウンのBGMの雰囲気と少し似ているのではないでしょうか。

「始まりの浜」の誰もいない切なさをちょっぴり感じますが、何故か温かみも感じる不思議な懐かしさのある曲で、個人的にはとても好きなBGMの一つです。

ずっと聴いていたくてなかなかストーリーを進められませんでした。

アルセウス「コトブキムラ」とDPt「コトブキシティ」

アルセウス「コトブキムラ」

あれ、似たような名前なのにBGMは全く似ていない…?

と、アルセウスを始めたばかりの頃は不思議に思っていました。

そこで、私は考えました。

「コトブキムラとコトブキシティは意図的に同一性を感じさせないように作られているのでは?」

「コトブキムラは単純なフレーズのループで、街として発展する前のイメージなのかなぁ。」

「一方のコトブキシティはリズミカルで明るい、何となく複雑性も感じる曲になっているのは、発展した近代的な街のイメージなのだろうか?」

・・・などと自分の中で納得できる答えを探しながらプレイしていましたが、

なんと、ストーリーを進めるにつれてコトブキムラのBGMは発展してコトブキシティのBGMに近付いていくことが発覚して驚愕しました!

「ストーリーが進む」=「主人公の行動」が、のちのコトブキシティに繋がっていくのだと気付いた時は感動しましたね。

自分の手で街を作り上げていく感覚が何とも感動的です。

また、屋外か屋内か等、場所によってもメインの楽器が変わったりと、コトブキムラのBGMは楽しめる要素が満載です。

どちらも穏やかな雰囲気の曲なので、作業用BGMにもぴったりかと思います。

「戦闘!トレーナー」

アルセウスのトレーナー戦

トレーナー戦BGMは、アルセウスとDPtでとても似ています。

主旋律が分かりやすく似ており、DPtを元としているのが一目瞭然です。

しかし、相違点もあり、

アルセウスの方は最初のフレーズが若干ひねりが加えられたリズムになっているのと、一部短調アレンジがされている部分もあるのがエモいです。。。

特に短調アレンジ部分は、「マイナーアレンジ」とも言うので、トレーナーバトルは一般的ではなかった=「マイナーであった」ことを示唆しているのか?と個人的には感じました。

アルセウスのトレーナー戦BGMはとてもカッコいいアレンジが加えられており、数少ないトレーナー戦をとても楽しめる要素の一つになっていると思います。

「戦闘!野生ポケモン」

野生ポケモンとの戦闘

アルセウスは古風な和楽器っぽいアレンジが加えられていますが、すぐに元の曲が同じだと判断が付くくらいには似ています。

ただし、「戦闘!トレーナー」と同様、全く同じではありません。

具体的な相違点は、調性とテンポ。

アルセウスの方が少しだけゆったりしたテンポで自然の壮大さを表しているのでしょうか。

広大なヒスイの大地にピッタリな気がします。

転調を駆使することで不安定さと切迫感が表現されているのは共通です。

リメイク作品だと同じ調性でアレンジされていることが多いですが、時代も環境も違うので、敢えて違いを出しているのだろうと思われます。

アルセウス「ギンガ団本部」とDPt「研究所」

アルセウス「ギンガ団本部」

アルセウスの「ギンガ団本部」とDPtの「研究所」のBGMにも関連性があるものと思われます。

最初に似たようなフレーズが出てくるので、おそらく意識して作られているのでしょう。

 

「ギンガ団本部」はデンボクさんがいる場所です。

デンボクさんはナナカマド博士の先祖だからBGMに共通点が見出せるのは自然なことですね。

デンボクはナナカマド博士の先祖である。

ただし、DPtの「研究所」の方が半音高い調性となっています。

半音上がって未来に繋がっている・・・とても粋な演出ですね。

まとめ:大胆なアレンジで懐かしさと新鮮さを感じるBGMが多い!

以上、一部のBGMの比較考察でした。

今回はストーリー上のネタバレ防止のため、序盤のBGMのみとさせていただきましたが、

アルセウスとDPtのBGMには他にも数多くの共通点・関連性がありますので、是非楽しみながら探してみてください。

最後に、アルセウスの全てのBGMに言えることとして、個人的には2つの感想・感動を抱きました。

一つ目は、「過去の話なのに新鮮である」ということ。

「シンオウ地方の昔の姿」であるにも関わらず、アルセウスのBGMは何となく新鮮さを覚えるものが多くなっています。

「古い」という印象はあまり感じず、それよりも「ここが将来シンオウ地方に繋がっていくのか」と未来への納得感を得られるような曲が多いと思いました。

二つ目に抱いた感想としては、「とても大胆なアレンジが多いのに元の曲の良さもしっかり出せていて凄い」という感動です。

冒頭に書いた「始まりの浜」や、某ラスボス戦のBGMなどが特に当てはまります。

懐かしさと壮大さを両立できているアレンジに感動しっぱなしでした。

(ラスボス戦については、是非皆さんの目と耳でお確かめください^^)

今回のアルセウスは過去作のリメイク作品とはまた違った良さが出ていると個人的には思います。

純粋なリメイクじゃない分、アレンジの難しさもあったと思いますが、そんな中で多くの感動を生み出せる作曲家の皆さんは天才だなぁと素直に感動しました。

今後の作品のBGMもとても楽しみです^^