ポケモンには様々な怖い要素・都市伝説があります。
今では考えられないかもしれませんが、初代赤緑ではロケット団に命を奪われた成仏できないガラガラの幽霊が行く手に立ちはだかることもありました。
この演出がまぁ怖いこと怖いこと。
今でも鮮烈に思い出せる程、あの頃は恐怖の感情に駆られました。
他にも怖い要素は存在するのですが、どれも詳細に覚えています。
というのもストーリーに合わせてBGMが恐怖そのものだからですね。。
音を消してプレイするのと比べて、100倍は記憶に残ることと思います。
ストーリーに華を添える(?)ポケモンの音楽の凄さですね。
20年以上経った今でも色褪せないどころか、どんどんトラウマが強くなっていく…そんなポケモン初代赤緑のBGMの恐怖の思い出に浸ってみましょう。
ロケット団アジト
タマムシシティはロケット団の活動拠点?
明るく華やかな街、タマムシシティ。
…に存在するゲームコーナーの地下は、なんとロケット団のアジトになっています(つまりゲームコーナーの経営がロケット団…)。
軽やかで楽しい印象のゲームコーナーのBGMから一変して、地下のアジトBGMは不気味な感じですよね。
謎の勝手に動く床でコントロールを失い、バグったようなフリーズしたような、自分が自分でなくなってしまうような感覚に陥った記憶があり非常に怖かったです。
音楽がそれに輪をかけてゾクっとさせてきます。
初っ端から不協和音
まず、頭の部分。
G#→D(ソ#→レ)という2音が少し震えたように奏でられますが、これは完全に不協和音程なのでブルっときてしまいますね。
その後の主旋律でどんどん不安感が増していきます。
不協和音程のオンパレードです。
トキワの森BGMとの共通点
よく聞いていただくとわかるかと思うのですが、ロケット団アジトの主旋律はトキワの森のBGMにも同じフレーズが使われています。
トキワの森と言えば誰もが最初につまずくダンジョン。
ただの森にしては無駄に怖い音楽だなと3〜4歳の頃の私は震えながら進んでいましたが、トキワシティのジムリーダーがサカキだということを考えると、トキワの森がロケット団の支配下にあってもおかしくないのかもしれませんね。。
闇が深すぎます。
シルフカンパニー
ロケット団に占領された閉鎖的な会社
カントー地方の都心部、ヤマブキシティにある大企業。
モンスターボールやキズぐすりなどの回復アイテムや技マシンなど、トレーナーの必需品をほぼ全て作っているちゃんとした企業…と思いきや、ここもロケット団に乗っ取られています。
ロケット団が関わっているのであればBGMが不気味なのも当然でしょう。
11階もある一応しっかりとした会社なのに、薄気味悪い音楽というミスマッチ感が更に恐怖感を増大させます。
1階部分に誰もいないのも気味が悪いですし、閉ざされている部分が多く全体的に閉鎖的なのと、あと謎のワープパネルで「ここは何処わたしは誰」状態になるのも恐怖ポイントですね。
作曲者のセンスが輝く半音ずつの変化
シルフカンパニーのBGMはとても不思議で、作曲者のセンスを感じます。
スローテンポから始まるにも関わらず、こんなに冷静でいられなくなってしまうってどういうことなのでしょうか。
序盤は確かにゆっくりめではありますが、E(ミ)の音から始まって半音ずつ上がったり下がったりを繰り返していきます。
敢えて狭い音域内で抑えて半音ずつ移動することで不協和音程の連続になるということと、ベースのリズムで不安感を煽っているのだと感じます。
テンポアップと音程上昇による焦燥感
中盤からテンポが上がるのもドキドキしてきちゃいますよね。
やばいやばい、早くここから逃げなっきゃ!みたいな。。
テンポアップと同時に主旋律の音程が徐々に上がっていくところも落ち着きをなくされる要素だと思います。
あと最後に震わせながら鳴っている甲高い音は最早ホラーです。
ポケモン屋敷
廃墟はただでさえ怖い
ストーリー終盤で訪れる小さな島、グレンタウン。
そこにひっそりと佇む謎めいた廃墟です。
立派なお屋敷なのに炎タイプや毒タイプのポケモンが住み着いている(街の中で野生ポケモンとエンカウントするのはここが初めてじゃないかな?)というおどろおどろしさがありますし、
泥棒がいたり岩がゴロゴロしていたりというもの恐ろしさもあります。
ビジュアルだけでも充分恐怖なのですが、BGMと合わせると更に震えが大きくなりますね。
ピコピコ音がミュウツーの遺伝子操作を彷彿とさせる
初っ端から出てくるピコピコ音が想像力を掻き立てます…。
というのも、ポケモン屋敷では昔フジ博士という人がミュウやミュウツーの研究をしていたことが示唆されていますが、
この無機質なピコピコ感によって、倫理的にちょっと…なミュウツーの遺伝子操作を行なっていたかもしれないことを勘繰っちゃいますよね。
不協和音・ノイズ・不規則感の重要性
途中から出てくる主旋律とベースの音が重なって不協和音になるところもゾッとします。
あと、この曲はノイズがかなり重要な役割を果たしているような気がしました。
廃墟の廃れている感が満載というか、屋内か屋外か判断が付かなくなっちゃっているイメージを増幅させている気がします。
それからもう一つ。ほぼ同じフレーズの繰り返しになっているにも関わらず、たまに不規則なところがあり、想定を裏切ってくるところが心が不安定になる要因なのかなぁと思ったりもしました。
シオンタウン
幽霊の街
ストーリー中盤で立ち寄る街、シオンタウン。
ハードなダンジョンであるイワヤマトンネルをやっと抜けたと開放感に浸りたいところですが、精神不安定のドン底に突き落とされた人は数知れず。
不協和音程とエコーが幽霊の存在を示唆
イントロのC→G→B→F#(ド→ソ→シ→ファ#)という音名だけでも不協和音程で不安になりますが、
それだけじゃなく、スタッカート?とエコー?が効いていてBGM自体が震えているように感じるところが、幽霊のささやきみたいな感じで身の毛がよだちます…。
シオンタウンに着いてすぐに、音量を思いっきり下げるか、急いで自転車に乗るか、ポケモンセンターなどの安全な場所に避難した人は多いと思いますが…。
ポケモンタワー
フジ老人によって建てられたポケモン供養のためのお墓
シオンタウンにあるポケモンのお墓です。
シオンタウンのBGMが怖すぎて、とりあえずBGMを変えたいからどこかに避難しとこ!と思って入った場合、残念ながら更なる恐怖が待ち構えています。
幽霊の怖さを倍増させるBGM
イントロ部分のC→B→G→E→G(ド→シ→ソ→ミ→ソ)が爽やかに聞こえなくもないのですが、れっきとした不協和音程です。ここがお墓だと知ってしまったら恐怖しか感じません。
幽霊の「タチサレ…」と相まって大人でも泣きそうになります。
いや、もしかしたら大人の方が想像力を刺激されて恐怖を感じるかもしれませんね。
不協和音が表現する物悲しさ
シオンタウンのイントロと同じくポケモンタワーのイントロもエコーのような効果がかかっていてC(ド)とB(シ)の音が重なります。音の重なり方までシオンタウンと同じになっています。
この不協和音がより不安と悲しみを煽ってきますね。
GB音源で表現の幅に制限があるからこその怖さって存在するんだなと感じました。
ポケモンタワーのイベントを終えた後も、できればシオンタウンは通りたくないですよね。毎回泣きそうになるんですもん(泣)。
ピジョットで空を飛ぶか、自転車に乗りましょう(笑)。
まとめ 物語と音楽の相乗効果がすごい!
初代ポケモン赤緑の恐怖のBGM 5選ということで個人の感想も含めてまとめてみました。
こう見ると、改めて音楽の影響って大きいんだなぁと感じさせられます。
ゲームのBGMはゲームをプレイしている最中に聞くことになるので、ストーリーにより深みを持たせられるように作曲されているんですよね。
ゲームの世界観を壊してはいけない上に、愉快さやワクワク感や恐怖や悲しさといった感情を増幅させられるようにしないといけない。
これができる作曲家の方はとんでもない才能を持っているのだと感じました。
今回挙げた5つの曲は、私個人としても20年経った今でもトラウマです。
しかし5曲とも大好きな曲でもあります。
当時は泣くほど怖い思いをしましたが、強く印象に残っているからこそ、今では良き思い出として心の中で温まっているんだと思います。
シオンタウンなんかはトラウマBGMナンバーワンと言われますが、私は特に好きで、耳コピしてピアノで弾いている程です(笑)。
作曲をされた増田順一さんは、常識に囚われないからこそこんな強烈に印象深い曲の制作が可能になるんだろうと尊敬しています。
今後もポケモンのBGMには注目していきたいところです。
作曲の増田さんの音楽は素晴らしいものが多いので、是非聞いてみてください!
個人的には金銀やブラックホワイトがおすすめです。
赤緑以外にも良い曲がたくさんありますよ♪